『山猫理髪店』

別役実作品を劇団民芸がやった。大滝秀二、奈良岡朋子、三谷昇ら。
これが、なかなか面白かった。大滝など、大した役者とは思っていなかったが、今回は感心した。
別役の抽象的、観念的な世界が下層社会のリアリズム世界に変換されてしまうのが不思議だった。
ある港町にある理髪店で起きる静かな事件。
そこの主人大滝は、主人ではないと言う。見習いの三谷がいて、妻の(大滝に言わせれば、妻らしい)奈良岡がいる。
そこは、どうやら日本から半島に人間を逃がしている拠点らしい。
これが今のことあのか、戦時中のことなのか、よく分からない内に劇は、最終局面に行く。
この主人は、やはり妻を殺していたことが分かるのだ。

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