『死の棘』映画版

『死の棘』の映画版を見たのは、ものぐさ太郎さんのすすめによるもので、期待せずに見たが、意外に良かった。確かに、先日の鐘下演出、高橋恵子主演の劇より良い。
監督の小栗康平は、『泥の河』を見て余り感心しなかったので、その後見なかったのだが、少なくとも阪本順治などよりは上だ。
映画と劇の差は、原作にたいする愛着の差のような気がした。劇の鐘下には、島尾敏雄の原作への尊敬がない。
しかし、この原作を成瀬巳喜男や豊田四郎のような職人監督が撮ったらどんな作品になったろうかと思った。
この映画の良さに一番功績があったのは、カメラの安藤庄平さんだと思う。
細川俊夫の音楽は、武満徹を思わせる。

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コメント

  1. 「死の棘」  小栗康平 1990年

    『死の棘』を観た。原作は島尾敏雄。すごい作品だった! この作品に登場する島尾の奥さんは、半端なくヤバイ。頭が本当に狂っていて、観ていて恐くなる。そして、この『死の棘』、実話だというから、さらに驚きなのだ。