日本航空をモデルにした国民航空という日本の航空会社での二人の男、渡辺謙と三浦友和の物語である。
御巣鷹山での大事故から始まり、そこから過去に遡って、二人の男の物語が語られる。
二人は、労働組合の幹部で、一緒に賃上げ運動を戦った仲だったが、渡辺は当初の意思を曲げずに海外に左遷され、三浦は会社側に寝返って出世していく。
渡辺は、ダッカからテヘラン、さらにナイロビにまで行く。
この海外派遣が、そんなにも左遷なのかと思うが、そこにはこの航空会社の、途上国への差別意識があるが、そのことは言わない。
二人の男の人生の対比の類形性には笑えうほどだが、映像のスケールの大きさで描いて行ってしまう。
あえて言えば、三浦友和は、悪人をよく演じているが、かつての悪役安部徹や天津敏のような憎々しさがもっとほしいところである。
役者の中では、三浦の手先として航空券を商品券ストアに持ち込み換金する手段で裏金を調達すり香川照之が光る。
最後、カネボウから来て日航の再建に努力したが、政治的駆け引きで追われることになった伊藤会長をモデルにした石坂浩二が辞任し、渡辺も再びアフリカに行く。
三浦は、香川の死を賭しての疑惑の告発で、検察の捜査を受ける。
アフリカの大地を疾駆する渡辺の姿で終わる。
それは、アフリカの自然と大地の悠久な大きさに、日本の人事等の争いの些細さが対比されているだ。
だが、それは間違いである。
いかに人事抗争等が些細で、くだらなくても、その些細さを通過することにしか大げさに言えば、われわれの進歩はありえないのだからだ。
それにしても3時間という実に長い映画だった。
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コメント
若松節朗監督 「沈まぬ太陽」
沈まぬ太陽 – goo 映画
お給料も入ったし、今日(10月26日)は公休!
ヾ(@⌒▽⌒@)ノワーイ! 映画なに観よ?
根岸監督の「ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~」にしようか?思ったのですが…
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