横浜の企画集団・芸人三昧の6周年事業として、松元ヒロのソロライブが行われた。
杉田の杉田劇場、300人のホールはほぼ満員。
7時半に始まり、約2時間、松元ヒロは、一人でしゃべりマイムをやった。
彼を最初に見たのは、MXテレビでやっていた立川談志と野末陳平との番組だった。
その中で、談志が「絶対」と言って推し、松元は18番の「ニュースと天気予報」をやって、抱腹絶倒した。
松元ヒロを評価すると、すぐに「左翼だろう」と来るだろう。
そうではない。
彼には芸があるから評価するのであり、別に思想性を問題にしているわけではない。
その証拠に、おそらく松元と正反対の政治的立場のはずの談志が高く評価しているように、彼には立派なパントマイムに裏打ちされた芸がある。
まずは、彼が高校時代を過ごした鹿児島の鹿児島実業高校の右翼的、運動部についてのネタが披露される。
彼は、中学の放送陸上で、好成績を上げたので鹿実に無試験で入学し、駅伝の選手として活躍したので、さらに法政大学にも入学する。
この件には、相当の虚構が入っていると思うが、大変面白かった。
次の、清貧の画家、石井一男はかなり問題で、こうした美談に属するものを笑いにできるのはすごいが、この方向には行って欲しくないと思った。
最後は、立川談志とのことで、彼が松元ヒロの新大久保でのライブを見に来たこと、松元が石原慎太郎の顔面神経痛を皮肉ったギャグをやった時、それを談志は憶えていて、自分の高座で使い、舞台の袖のヒロにウインクしたことなどが披露された。
そして、昨年11月の談志のお別れ会では、石原慎太郎の言葉で始まり、松元ヒロのマイムで終わったそうだ。
右翼で始まり左翼で終わったとのこと。
それにしても、立川談志の普通預金残高は、7億円で、彼は都内に5軒家を持っていただったそうだが、本当だろう。
弟子対しても、絶対におごらず、麻雀をやっても、若い貧乏芸人からイカサマをしてでも金をむしり取った談志なのだから。
彼は、それを落語家の、そして人間の業というに違いないが。
アンコールは、18番の「ニュースと天気予報」 これはやはり何度見ても面白い。
杉田劇場