1965年、小林旭の「さすらいのギャンブラー」シリーズの１本、
監督は当時、見る必要はないと言われた井田探だが、今回見てみるとそうひどくはない。
小林旭が、ある地方都市（伊豆半島のようだ）に死んだ恋人の墓参りにやって来る。
カメオ出演だが、太田雅子（梶芽衣子）らしい。
太田雅子の姉上月佐知子がやっているホテルに小林旭は働くことになるが、それを玉川伊佐男をボスとする悪玉が妨害するというもの。
そこに、渡り鳥シリーズでは宍戸錠が演じた、旭を敵と狙うが、同時に悪玉からも守る役割も果たす川地民夫が絡んでくる。
旭の相手役が浅丘ルリ子なら、完全に渡り鳥シリーズだが、ここでは上月佐知子になっている。
上月は、ルックスもそうだが、声と台詞回しは、浅丘ルリ子にとてもよく似ている。
これは小林旭の希望なのか、あるいは偶然なのか。
ギャンブラー・シリーズなので、川地民夫と小林旭のダイスの勝負もある。
ある本によれば、小林旭は、大変器用な男で、渡り鳥シリーズの撮影中には、実際にダイスを振って見事全部を立てて重ねたこともあるそうだ。
この作品でおかしいのは、ホテルのアトラクションで、司会の林家三平やヒットする前のバーブ・佐竹はともかく、真山一郎という歌謡浪曲の歌手が出てきて、いきなり「松の廊下」を歌いだすこと。このちぐはぐさがすごい。
チャンネルNECO