加東大介と『南の島に雪が降る』

東宝の昭和30年代頃の映画を見ていると、必ず加東大介が出てくる。東宝のみならず小津安二郎の『秋刀魚の味』など、他社の作品にも多数出ている。
社長シリーズでの専務をはじめ、芸域が大変広く本当にいい役者である。今、彼のような役者はいない。いくら北村総一郎や小野武彦らが頑張ったところでレベルが違うとしか言いようがない。
彼に関して一番有名なのが、『南の島に雪が降る』だろう。
後に、劇や映画にもなったこの話は、彼の実話であり、南方の島で兵士、特に負傷兵を慰安に芝居をやる話である。劇中、南の島に紙の雪が降る。
これは、彼の十八番で、私も兄の大学の学園祭で加東大介の講演を聞いたことがある。
勿論、最後は全員が涙、また涙であった。
小泉純一郎首相に是非見せたい芝居である。

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