追悼・高林陽一

「フィルムヲ見ル会」で、今年7月に亡くなられた高林陽一氏の8ミリと16ミリの作品の上映会が行われた。

私は、彼が劇映画に移行してからの『金閣寺』と『西陣心中』は見ているが、それ以前の個人映画時代の作品は見ていない。

この日、上映されたのは、8ミリの『悲歌』『石ッころ』『さすらい』『石が呼ぶ』『ほくろのある風景』、さらにゲストで来られていた飯村隆彦氏の家にあったという16ミリの『むさしのいのち』

感想は、個人映画とは言え、時代を反映してしまうものだなということである。

その意味では、安保闘争が直接に題材となっている『さすらい』が明確だが、詩的なモンタージュという意味では、『石が呼ぶ』が最高だろう。

いずれにしても、こうした個人映画は、見る機会が極めて少ないので、こうしたイベントは大変意義があると思う。

来年には、富士フィルムが8ミリフィルムの製造販売をやめるそうで、35ミリフィルム映画でも、急速にデジタル化が進行しつつある。

その意味でも、フィルム映画の意味はなんだったかを探る意味からも、意義深い試みだと思う。

金子遊君には大いに期待する。

渋谷アップリンク

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