1964年、松竹京都で作られた作品で、松竹と丹波哲郎のさむらいプロの共同製作となっており、監督も丹波哲郎と菊池靖の共同になっている。
丹波の話では、アクションシーンは丹波が、普通のドラマ部分は菊池が担当したとのこと。
これは、公開当時かなり騒がれた映画で、エロテックな場面、特に鰐淵晴子が裸になるのが話題で、今見るとたいしたことないが、当時は大騒ぎだった。
脚本は田坂啓で、江戸時代初期、九州の竜ノ口藩の話、コレラで多数の領民が死に、さらに抜け荷をしていた咎で、竜ノ口藩は取り潰しになる。
そこに浪人丹波が来て、不思議な野盗一味に襲われ、逆にのしてしまうので、仲間にされかかる。
一味の首領は花澤徳衛で、体がでかいだけの元相撲の力士の羅生門や不気味な剣士の南原宏治もいる。
そこを虚無僧姿の連中が襲ってきて、竜ノ口城の城作りの棟梁だった河野秋武を奪おうとする。
さらに、花澤らを使っていた抜荷商人の三島雅夫らも争いに加わってくる。
彼らはすべて、竜ノ口藩が抜け荷で城内に蓄財したはずの砂金を求めてのことなのである。
アクション小説や映画の基本に「宝探し」があり、この映画はそれを踏まえているので、結構面白い。
最後、稲葉義男の虚無僧らと鰐淵晴子は、竜ノ口藩の幹部だが、実は隠れキリシタンで、幕府の迫害を逃れて外国に出て、理想郷を作ろうとしている。
丹波もその意図に賛同し、彼らの脱出を助けようとするとき、幕府の目付らが来て大チャンバラになる。
場所は、富士山の麓の白糸の滝でロケーション撮影されているが、本物の白糸の滝が出てくる映画は珍しい。
もちろん、幕府側に負けて終わり。
佐藤勝の雄大でダイナミックな音楽が良い。
衛星劇場