パシフィコ横浜の名を作ったのは

横浜のみなとみらい21の中心にあるのが、綜合コンベンション・センターのパシフィコ横浜である。

だが、このパシフィコ横浜の会社の正式な名称を知っている人はほとんどないだろう。

正式な会社名は、株式会社横浜国際平和会議場というのであり、法人登記上もそうなっている。

この国際平和会議場と言うのは、3代前の市長だった細郷道一氏の指示でなったものだった。

当初、この会議場会社が作られたとき、担当部長の岡本坦氏や宇野課長が、会社名として細郷市長に持っていったのは「株式会社横浜国際会議場」だった。

だが、その時、細郷市長は、「この会議場の前に平和を入れなさい」と言った。

「平和ですか」と渋る岡本部長以下に、細郷市長は、

「君、平和というのは左翼が独占するものじゃないんだよ、国際平和こそ人類共通の願いであり、最終目標なんだ。だから必ず平和を入れなさい」

そして、株式会社横浜国際平和会議場が発足し、そこに私も出向することになった。

だが、この国際平和という名は実際は困りもので、電話に出て名乗るのも大変だった。

「平和会議場です」と言っては「平和ってなんですか」と聞かれ、果ては左翼団体の集会のための会議場ですか」とも言われた。

そこで、急遽英文名、略称等を作ることになり私が担当し、某CI会社に開発を委託し、彼らは1、000以上の候補を持ってきたが、全部却下だった。

この時の担当者は、今はコンサルタントとして多数のご著書を出している野口吉昭氏である。

そして、最後に10案に絞ったとき、PPC,パシフィック・コンベンション・センター、というのを私が考えて入れておいた。

パシフィックの本来の意味は、平穏であり、平和に類似の意味をもち、また今後の会社の方向性として、環太平洋が最大のターゲットになるはずだからである。

すると彼らは、「センターと言うのは流行りじゃない」として、パシフィック・コンベンション・プラザ・ヨコハマ、縮めてパシフィコ横浜を持ってきた。

これを公表したとき、実はあまり評判は良くなかった。

よくわからないと言うのがその理由だったが、今では完全に定着している。

昨夜、関内のさくらワークスでの交流会が行われたとき、横浜市での仕事として発表させていただき、久しぶりに思い出したので、忘れない内に書いておく。

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