戦争は一面でゲームでもある

先週末は、日本映画学会総会に出るために関西に行ったのだが、最終日に宝塚大劇場で、『白夜の誓い』を見た。
これは、原田惊の作・演出で、聞くところでは相当に長くなってしまった脚本を大幅にカットしたとのことで、展開が早すぎる欠点はあったが、なかなか面白い新作だった。
この劇は、スエーデンの18世紀の王子グスウタフの生涯を描いたもので、驚くことに当時スエーデンは、ロシア、デンマークの支配下にあり領土の一部もロシアに占領されていたことだ。
スエーデンは、かってはかなりの大国だったと認識していたので驚くが、当時はそうだったようで、グスタフが王として国を改革し、対ロシアとの戦争に勝利したのである。
その後、スエーデンに占領された国土の回復を目指して、ロシアのイワン雷帝が勝利して大皇帝になる。

このように、欧州の国境は、戦争で幾度も変更されている。
ロシア、ドイツ、ポーランド、フランスなどの国境は、第二次世界大戦で今日のものになるまで、何度も変わっている。
要は、戦争は本来勝ったり、負けたりであり、どちらかが完全に勝利することはできない。
その意味では、戦争は一面でゲームであり、長期的に見れば、勝ち負けがつかないものなのである。
現在、安倍晋三らの「戦争好き」の連中は、こうした歴史をよく学んで欲しいと思う。
また、そうしたことを念頭に置いて、ぜひ選挙の投票に行ってほしいというのが私の考えである。

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