兄弟で一番新劇好きだった姉が『芥川比呂志写真集』を送ってきた。没後7年目に出たもので、出版社は牧羊社。ここは、詩集や高級文学作品を出していた出版社で、他にも文学座系の劇作家の本を出していたはずだ。
舞台、映画、私生活などの写真集であり、定価3,000円だが、今では貴重本であろう。
芥川は、1960年代まで、森雅之と並びインテリを演じられる日本の数少ない男優だった。
代表作は、豊田四郎監督の名作『雁』だろうが、余り上映されないが同じ豊田の『或る女』の無能な小説家(国木田独歩がモデル)も良い。この『或る女』は、京マチ子の主人公の行動が奇態だとして公開時は評判が悪かったが、今見ると男から男を渡り歩く女など、掃いて捨てるほどいるのでむしろ普通に見え、再評価が必要な映画である。
大島渚の『日本の夜と霧』では、渡辺文雄と桑野みゆきの仲人の大学教授(妻役の氏家慎子さんは青年座の女優で、今は日本テレビ代表の氏家斎一郎氏の奥さんである)。セットの本棚に本物の本を並べておいたところ、芥川が何冊か見て「ヴァレリー詩集」を持っていったのは、さすがだと大島は書いていた。
ああいう品のある知的な役者というのも今や根絶してしまったね。
コメント
関係ないけど
氏家斉一郎といえば有名な艶福家。今だ夜な夜なおさかんらしいが、奥さんも以前、劇団の若いつばめに狂っちゃって、口もきかないらしいよ。
げっ
青春残酷物語の人妻だよね。おばさんやめてくれええっって
川津が叫んでるのが聞こえたようね