国文学者・折口信夫が『日本芸能史ノート』で、「相撲は演劇である」と言っているように、スポーツと芸能は類似している。
相撲は本来は、農業の吉凶を占う神事であり、神と人間との格技であった。
だから、土俵の周囲の4本柱(今は形だけだが)の間に下がっている幕は、神域と一般世界を隔てる境界線であり、それは芝居の舞台の上の幕(一文字)と同じなのだそうだ。
人に見られることを目的にし、またある種の祝祭性を持つことにおいて、スポーツと芸能は類似している。
冬季五輪の最新の競技、スノーボードやモーグルを見ると、これは元々芸能そのものではないか、とさえ思え、折口の言葉の正しさを再認識する。