「なかなか美人だ、もうやったのか」(『セックス・チェック 第二の性』)

寺内大吉原作、増村保造監督、安田道代(大楠道代)、緒方拳主演の傑作である。学生時代に見て以来30年ぶりに見たが、やはり大変面白かった。
タイトルの台詞は、緒方から安田を見せられ、大学の運動部の同僚で陸連幹部になっている早川雄三が聞く台詞で、大爆笑した。

流れ者コーチ緒方は、ある電機会社で安田を見つける。
五輪代表の短距離走者になるには「男になれ、お前から女を追い出す」と髭を剃らせ、男言葉を使わせる。
記録会で非公式記録を出すが、セックス・チェツクの結果は「半陰陽」、つまり男・女両性を持つもので、女性とはみとめられない。

その日から、今度は安田を女性にする作業、つまり毎晩のセックスが始る。
努力の結果、安田は正式に女性と認められるが、記録は平凡なものに落ちる。
緒方は、一人の五輪選手を失って、一人の伴侶を得たことを示唆して終わる。
増村の強引な論理が最高。

緒方の友人の医者が滝田祐介、その妻で緒方に強姦されるのが小川真由美。
以前、テレビでも雛形あき子の主演でやったはずだ。
音楽の山内正は、山内明の兄で、主に大映で音楽を書いた。比較的若く亡くなくなくなったが、死ぬまで共産党だったそうだ。

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