これは私が経験したことではなく、先輩から聞いた話である。
公明党が、公明政治連盟から改名して正式に政治に進出した頃の話である。
当時は、参議院は全国区と地方区だったが、自民、社会の二大政党時代で、公明は地方区には候補を立てていなかった。
ある時、参議院の通常選挙が行われた。
横浜のある区の投票所で、次のようなことがあったという。
ある人間が、投票を終わった後、「地方区と全国区の投票用紙を間違えて入れたので、投票用紙を入れ替えてほしい」
本当は、こんなことをしてはいけないのだが、その投票所の管理者は選挙に慣れていなかったのか、地域から出ている投票立会人の同意も得て、投票箱を開けてしまった。
するとどちらにも同じ候補の名を書いた投票用紙が沢山あったとのこと。
つまり、当時公明党は、全国区しか候補を立てていなかったのだが、「地方区と全国区のどちらも、同じ候補者名を書け」という指令が出ていたのである。