映画の著作権について

2月初め、日本監督協会(会長崔洋一)が、監督の著作権を要求する声明を出した。現行法上、映画だけは、著作権は制作者、すなわち会社に与えられている。これは、他の権利が作者にあるのと異なる。監督、脚本家、出演者等に一切著作権はない。実際は、二次使用のテレビ放映、ビデオ化等の際は、それぞれの協会との協定で使用料が払われているが。
監督の著作権(著作者人格権)強化しようと言うのは賛成だが、それを持たすかは、疑問がある。
二次使用を考慮した場合、権利は集中管理した方が良いのは当然で、会社が保有している方が現実的だ。

その例が、テレビ番組(テレビ局制作)の二次使用で、これはビデオ・レコーダーが普及したとき、俳優等の実演家から仕事が減るとの猛抗議があり、そのため出演料を引き上げる代わりに二次使用を許諾権にしたため、連続ドラマ等のビデオ化が出来ない状況にある。現在、経団連が法改正を提言しているが、当然だろう。

アメリカでも映画の著作権は会社が保有し、制作時に多額のギャラで契約する。
日本では、ギャラを値切るため、二次使用の問題が起きる。
要は、監督、脚本家等のギャラを引き上げ、二次使用も含め契約しておくことが、今後のネット配信等の利用の多様化を考えれば最も現実的ではないかと思う。

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