主演の伊藤比南子には、1976年に自作の劇に出演してもらったことがある。
昨日の松本俊夫特集は、1970年代の実験映画特集。
様々な技術を駆使しての実験映画でドラマ性はなく、「何これ」という間に終わってしまう。
唯一筋があった(歩いているだけだが)のが、この『青女』だった。
孤独な少女が森を歩いている。
赤外線フィルム使用で、木の葉が皆真っ赤に染まっている。
コマ伸ばしで、画面が常にググット緩やかに動く。
少女の、と言っても彼女はすでに27歳だったので、真っ白なドレスは少々おかしいが。
大変きつい顔つきなので、孤独さがよく伝わってくる。
森を抜け、川端に出、砂浜を横切り、最後は海に出る。
そして、海に入り死ぬ。
音楽一柳慧。
この映画の前、彼女は日活ロマンポルノに数本出ていたが、余り成功しなかった。
川崎市民ミュージアム