『ワイルド・バンチ』は

アメリカの映画アカデミー賞が発表され、関連記事としてオスカー像のモデルは、メキシコの俳優・監督だったエミリオ・フェルナンデスだったことが出ていた。

さて、エミリオ・フェルナンデスで有名なのは、サム・ペキンパー監督の『ワイルド・バンチ』でのメキシコの将軍役だろう。

「将軍どころか、ただの野盗の親玉だ」とウィリアム・ホールデンらにバカにされるが。

このホールデンや彼に協力して全員が壮絶な死闘をくり広げた後に、唯一生き残るロバート・ライアンの演技の素晴らしさは、何度見ても涙が出る。

最後、マパッチ砦で全滅してしまうのは、「壁の穴」ギャング団で、西部開拓時代に勇名を馳せた連中だが、このギャング団の前身一団は、なんと映画『明日に向かって撃て』のブッチ・キャシディーとサンダンス・キッドなのである。

つまり、『明日に向かって撃て』の後日談が『ワイルド・バンチ』というわけである。

                 

この2作品には、それぞれの時代を象徴する交通手段が出てくる。

『明日に向かって撃て』では、キャサリン・ロスを乗せてロバート・レットフォードがB・J・トーマスの名曲『雨に濡れても』が流れる自転車である。

対して『ワイルド・バンチ』では、フルナンデス将軍は自動車に乗って現れる。

自転車から自動車へ、モータリゼーションの革命の時期だったわけである。

因みに、この「壁の穴」ギャング団は、アメリカで最初に列車強盗をやった連中でもある。

          

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