『君といた永遠』

だいぶ前にBSで放送したものを見た。
かなり長い時を描いた青春・恋愛映画。

香港返還、天安門事件等があるが、若い連中も、親の世代もそうしたこととは関係なく、それぞれの愛を求めて行く、という当たり前と言えば当たり前の人間の営みが描かれている。
だが、ここには中国人の考え方がよく表現されていると思う。
日本と中国、香港、台湾人との大きな違いは、その国や政府を彼らは全く信じていない、ことだ。

私は、仕事で何度か中国の人間とつきあったことがあるが、意外にも彼らは国や政府を信じていず、最後は一族郎党で固まる。
これは、アヘン戦争以来、戦乱や他国の侵略(日本もその一つ)に侵され、また自国政府が右や左に大きな方針転換をしたからで、彼らはほとんど国を信じていない。
昔、アメリカのジャーナリストで中国通のハリソン・ソールズベリーは、中国の政治を「グレート・スイング」と言っていた。
日本と違い大きな国なので、政治の方針転換は、大きく極端に行われる。
そうした中では、市民は、「文革」のようにしばしば大きく翻弄され被害を受ける。
だから、彼らは国に対して「ニヒル」なのだと思う。

女主人公のジジ・リュウは、日本で言えば樋口可南子を思わせる美人だが、なかなか可愛い。
樋口はどうも好きになれないが、ジジはファンになった。
金城武は随分声が低いんだね。初めて気が付いた。

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