上月佐知子が死んだそうだ、87歳。
特に有名な女優ではないが、浅丘ルリ子に似ているところ、特に声と台詞廻し、が注目された。
1965年の小林旭の『さすらいは俺の運命』に出ていて、本当に浅丘ルリ子にそっくりだと思った。
もともと彼女がルリ子によく似ているなと思ったのは、シネマトライアングルでの『赤と黒のブルース』の時だった。
これは、新東宝の後継会社で、すぐにつぶれ、大島渚の『飼育』のみが有名な会社の大宝が作った貴重な作品の上映会で、『黒い傷跡のブルース』というひどい作品と一緒に上映された。
今週末には、やはり大宝が作った山際永三監督作品の『狂熱の果て』フィルムセンターで上映される。これを見れば、「六本木族映画」を全部見たことになる。
そんなことなんにも自慢にならないが。
だが、『愛して、愛して』や『うるさい妹たち』などの六本木族映画のシナリオを書いた白坂依志夫によれば、「六本木族など、どこにもいなかったので、適当にでっち上げて書いた」とのことだ。まあ、そんなものだろう。
上月佐知子は、南原宏治と結婚していたことがあり、晩年の南原は、幸福の科学の信者だったそうだが、彼女も幸福の科学の映画に出ていたのは、やはり信者だったのだろうか。どうでもよいことだが。
一応、日本映画史を飾った女優のご冥福をお祈りする。