現代と言っているのに、いきなり戦時中になり、ボロロン島に昭和24年なのに、戦争が継続していると勘違いしている一隊がいる。
隊長は三井弘次、炊事係は加東大介で、様々な動物を料理して食べ生き残っている。そこに米軍からの降伏命令が来て、全員が無事に解放される。
加東は、元の東京の下町の料亭に戻り、女房清川虹子の活躍で店は繁盛し、清川は増築を計画している。一方、加東は、店はほとんど清川に任せて、競輪や女遊びに日々を費やしている。
競輪場で、加東は三井と再会するが、彼は会社の重役になっている。
加東には娘が二人いて、長女の水谷良重は、中国人の谷幹一と結婚して神戸に行っていたが、喧嘩して家に戻ってくる。次女は榊ひろみで、彼女には板前の渥美清が惚れている。
加東は、清川の目を盗んで、クラブの女給の春川ますみと箱根に行くが、風呂に入っている最中に春川に、競輪等で貯めたヘソクリを盗まれてしまい、清川に浮気の現場も発見されてしまう。居所がなくなった加東は、神戸の谷幹一のところに行くが、この神戸の景色は実は横浜で、今はないシルクホテルなどが使われている。
清川は、三井の世話で、増築の手付金を渡辺篤史に現金500万円を渡すが、渡辺は詐欺師で500万を取られてしまう。
結局、水谷良重の谷幹一への疑惑は誤解であっことがわかり、榊ひろみは、渥美と結婚することになり、加東を清川は許して皆もとに戻ってハッピーエンドという話。
監督は溝口健二の内弟子でもあった松竹京都の酒井辰雄で、嵯峨三智子主演の『こつまなんきん』シリーズは「女性の男性遍歴もの」で非常に面白かったが、これはひどかった。
1964年なのにどこが現代なのか、およそ古いとしか言いようがない、榊ひろみだけが可愛かったが。
松竹京都が閉鎖され、大船に移籍しての1作目だが、これで映画監督作品は最後になり、テレビ映画に行ったようだ。
衛星劇場