桂木洋子が死んだが朝日新聞が報じなかったのは、彼女の夫が「日の丸・君が代」の黛敏郎だったからだろうか。
勿論、すでに４０年前に引退した女優であり、それも大スターではなかったからに違いない。
だが、彼女は意外に人気があった。
１９８９年に文芸春秋が行った「わが青春のアイドル女優」アンケートでは、1位久我美子、2位高峰秀子、3位吉永小百合、4位原節子に次ぎ、堂々５位だった。
因みに６位は、わが芦川いづみである。
桂木をあげた人間には、栗本慎一郎、宮本啓、岩浪洋三らがいる。
このアンケートは、ジャーナリスト等の映画好きの連中に行ったもので、一般に募集したものではない。
このアンケートで興味深いのは、桂木や芦川らの他、８位若山セツ子、９位有田紀子、11位八千草薫と所謂「清純派」が上位を占めていることである。
物事に一言言う、口うるさいジャーナリストたちも青春時代は、清純な少女に憧れる純情な少年だったということだろう。