こういうのをスタイリッスとか粋とか言うのだろうが、私にはバブル的としか思えなかった。
1999年、和田誠の脚本・監督で作られた映画。主演はジャズ・トランぺッターの真田広之と、外国人パブで働かされいる外国人ホステスの香港の女優のミシエル・リー。公開は2001年だったようだ。
彼女は、恋人の会計士がパブの社長笹野高史とつるんで警視庁の刑事が不正を行っているのを告発する場に遅れてきて、悪徳刑事の国村隼と岸部一徳に殺されたことを目撃し、さらにビルの屋上で見た真田も岸部らに追われる話。
単純だが、うまく作れば面白い話だが、残念ながらテンポがなくスリルもない。
この程度のドラマは、本来はメジャーで娯楽映画として製作されるべきものだと思う。本来、芸術映画のものではないのだ。
篠田昇は、パナビジョンカメラを手持ちで使っていてご苦労様だが、本当はもっと動かない方が良かったと私は思う。
もちろん、最後は無事解決されるが、あまり感動はない。
随分と今はもう死んでいない人が多い。ジャズクラブのマネージャーの斎藤晴彦、地下道の浮浪者の名古屋章、そしてカメラの篠田昇。
阿佐ヶ谷ラピュタ