自衛隊の日報隠蔽問題は、まるで現在の自衛隊にも「統帥権」があるのかと思われるほどだ。言うまでもなく大日本帝国憲法では、陸海軍の指揮命令は直接に天皇が行うもので、陸軍大臣はおろか総理大臣も関与できない仕組みだった。
戦時中の首相だった東條英樹は、戦局が悪化する中、自分にはなにも情報が来ないので、ついには陸軍大臣のほか、参謀総長も兼務した。
これでは「まるで東條幕府だ・・・」との元老たちの強い反対もあり、ついには総辞職する。
さて、防衛省、財務省、文部科学省等での情報隠ぺい問題は、各省庁の官僚の面従腹背の「抵抗」のように思える。どこもかなり問題のある大臣を頂いた省なので、「こんな連中に情報を挙げても無意味・・・」との官僚たちの暗黙の了解があったように見える。
以前、民主党内閣が官僚との関係が上手くいかず失敗したことがあった。
安倍政権の「お友達内閣」では、稲田朋美が典型のように不適当な大臣人事が行われて、これで官僚と上手くいかなくなっているように見える。
麻生太郎の財務省の問題が典型のように、「森友は俺は無関係で安倍晋三の問題」と決め込んでいるように、すべては安倍晋三と官邸がやれば良いことで我々は無関係と、いよいよ安倍幕府になりつつあるのではないだろうかと危惧する。