『色の道教えます・夢三夜』

大映得意の1961年に作られたオムニバスドラマ。と言っても、全体を通じる主役は家老の中村鴈治郎で、彼ならいかにも色の道に通暁しているように見える。

原作は、五味康祐で、脚本は後に「座頭市」を書く、犬塚稔、監督は加戸敏。加戸は、この時期の大映京都の娯楽映画監督だった。

1話目は、「上意打ち」で、老藩主が新妻候補を召し出して、審査する。中で気に入ったのが、24歳の加茂良子だったが、彼には思う人の千葉敏郎がいて、加茂は殿の前でも輿入れを拒否する。殿は、鴈治郎に「上意討ちにせよ」と命じ、鴈治郎は千葉に「槍で撃て」と言う。

その夜、千葉は、彼の「槍」で加茂を撃ち、無事二人は結ばれるという喜劇。

全部がこの調子で、所謂艶笑喜劇である。2話目「横笛」も、新婚で上手くできない若い夫婦を鴈治郎が、二人に教えてやるというもの。

3話目は、三田村元と三田登喜子夫婦で、三田村は二度目の結婚で、自分勝手にしているが、逆に三田が従順すぎるのが気に入らない。鴈治郎に相談したところ、三田は夜遅くまで屋敷に留め置かれて夜中に戻り、それで焦らされた三田村と三田が上手くいく。

実にバカバカしいが、それなりに見られるのは、さすがに大映京都の力である。

衛星劇場

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