『路傍の石』の主役大田博之は、私と小学校が同じだった。
大田区池上小学校に3年から転校してきたが、外人のようにきれいな男の子だった。
当時すでに映画に出ていて、有名だった。
中学は私立に行き、その頃からは芸能界で大活躍し、日活にも出ている。
だが、彼は役者の道を進まず、何時からか「小銭寿し」チェーンのオーナーになって話題となった。それもいつかやめてしまったようだ。
役者の最後は、1976年の木下恵介監督の『スリランカ 愛と分かれ』である。
当然のことだが、芸能界に長く第一線で活躍することは難しい。
なぜなら、時代は絶えず変化し、大衆が望むヒーロー、ヒロインも変わるからだ。
それにいちいち合せていたら、主体がなくなるし、また合せなければ孤立するだろう。
「小銭寿し」は、今私が住んでいる駅の近くにもあったが、とっくになくなった。
大田博之くんは、どうしているのだろうか。