1970年代、近鉄には梨田と有田という2人の捕手がいて、ほぼ同じくらいだったが、梨田の方が少し上という感じだった。だが、2人の投手リードは、正統的な梨田に対し有田はやや型破りと対照的だったが、西本幸雄監督は、投手との相性で使い分けていたようだ。
現役を引退してからの軌跡では、梨田の方が上で、近鉄と日本ハムで監督を務め、それぞれでリーグ優勝しているが、有田は各チームでコーチをしているが、監督になったことはない。彼は、言いたいことをすぐに言ってしまうタイプの人間だからだと思う。
土曜日、梨田監督の楽天と金本阪神のゲームがあり、テレビ朝日では、有田が解説していた。
楽天の則本の投球が素晴らしくて、阪神は手も足も出ない、という感じだった。
また、阪神の岩貞もよくて、ピンチはあったが、その都度切り抜けて終盤になり、8回裏に楽天が1点を取り、これで則本なので楽天の勝ちと私も思った。
だが、代走を出したために捕手が嶋から足立に代わっていて、有田はさかんに「途中から出た捕手は試合の流れに乗れるのかが問題だな」と言っていた。
理由は、「試合の流れに乗れないと常識的なリードになってしまい、相手に読まれることが多いので不安だ」と。
この有田の予言通り、9回表、阪神は中谷と糸原のヒットで2点を上げ、阪神が逆転してしまった。どちらも、則本は2ストライクと追い込みながら、最後は外角に球を投げてライトとレフトに打たれたものだった。こういう安易な配球は有田に言わせればよくないのだそうだ。
確かに勝っている時は、選手を変えるなというセオリーがあるが、その通りになってしまった。
野球は結構難しいものだとあらためて思った。
翌日、梨田監督の辞任が発表された。そんなにひどい成績だとは思えないが、彼なりに思うところがあったのだろうと思う。
そこで思うのは、今年金本阪神が優勝できず、辞任したら阪神の監督になってほしいということだ。
温厚で人柄がよいらしく、実績もある梨田昌孝には、ぜひ阪神タイガースの次期の監督になってほしいと思う。