午後、港北ニュータウンのセンター北に行き、ワーナー・マイカルで映画『サイドカーに犬』を見る。原作長嶋有、脚本田中晶子、監督根岸吉太郎。
サイドカーが大好きである。『陸軍中野学校』など、戦前の軍隊ものなどを見ると、憲兵隊が必ずサイドカーで来ると、わくわくする。
この映画では、サイドカーに犬が乗せられているシーンが、主人公の女の子の回想として出てきて、他人に支配されていることの象徴として出てくる。
竹内結子は、テレビでは大嫌いだったが、映画『春の雪』を見て好きになった。なかなか古典的な美女である。
ここでは、自由に生きることの象徴として出てくる。家出した妻の後任の愛人だが、すべての者に自由な姿を発散し、二人の子供を翻弄し、姉・弟も竹内が好きになる。
まさに、自由の象徴の女神のごときだ。
家事をしながら、太宰治の『ヴィヨンの妻』を文庫本で読んでいる嫌味なところもあるが、概ね大変良い。
父親の古田新太、伊豆の民宿の樹木稀林、その息子温水洋一もさすがに良い。
全体に1980年代の再現を意図しているらしいが、感じとしては1970年代的である。あの東陽一監督、桃井かおり主演の大ヒット映画『もう頬杖はつかない』に描かれた中央線沿線の中産階級の姿である。
それをやや下層の非インテリ層にしたと言うところだろうか。
地下鉄とJRを乗り継ぎ大森に行き、知人のライブを見に行く。
場所は、以前は映画館だったところの『風に吹かれて』
4グループが出て内容は様々だが、すべて自由に自分のやりたいことを表現しようとしているのはとても良かった。
文化、芸術は本来人間の解放で、自由への希求なのだから、それで正しいのだ。
今日一日は、かなり良い気分で家に戻った。