日本映画専門チャンネルの撮影監督特集で、仙元誠三撮影の『早春物語』を見る。
高校生原田知世と42歳の商社マン林隆三の恋物語で、内容はつまらないが、原田らのバブル・ファッションが大変懐かしかった。
公開の1985年は、バブル経済最高潮期のほんの少し前で、バブル・ファッションの全盛期だった。
原田の丈が長くゆったりとしたスカート、逆に洒落たショートパンツのウェイトレスなど、とてもリッチな雰囲気。
現在のキャリア・ファッション、しかし貧乏、本音ファッションとは、ずいぶん違ったのだな、とあらためて思う。
原作の赤川次郎、脚本の那須真知子、監督の澤井信一郎らは、ヘップバーンの『麗しのサブリナ』を目指していたと思う。
だが、メルヘンにしては、商社内の暗闘人事など、現実が多すぎ、夢物語には浸れない。
原田知世のきんきん声は、あまり愉快ではないが、薬師丸ひろ子も同様なので、角川春樹さんは、こういうきんきら声の少女が好きなのだろうか。
久石譲の音楽はいい。