作家の長部日出雄が亡くなった、84歳。
新聞の記事に書かれていなかったが、彼は「週刊読売」にいた時、大島渚、篠田正浩、吉田喜重らの松竹大船撮影所にいた若手監督らを「松竹ヌーベルバーグ」と名付けた人である。
そのように、若い映画監督らに近い左派的な立場だったが、次第に保守化したようで、近年は反共になったとのこと。
彼の小説は読んだことはないが、評論の『天才監督木下恵介』は非常に優れた評伝だと思う。
個々の作品評にはおかしなところもないではないが、世界の黒澤明のこの時代に、木下恵介を取り上げたことは大変に評価できると思う。
ご冥福をお祈りしたい。