聖火リレーも、大した混乱もなく終了したようだ。
昭和39年の東京オリンピックの聖火リレーを背景に取り込んだ作品がある。
吉田喜重監督の松竹映画『日本脱出』である。
主演の鈴木やすしは、ジャズバンドのバンドボーイで、些細なことから銀行ギャング団(内田良平ら)に巻き込まれ、ただ一人逃げることが出来る。
そして、東京の近郊でオリンピック聖火ランナーのラジオ中継車に逃げ込む。その逃走シーンがラジオ中継される。
この映画は、このシーンだけが面白い凡作だが、オリンリックの時代を描いた貴重な作品である。
ただ、この作品は松竹首脳、すなわち城戸四郎の逆鱗に触れたらしく、吉田は松竹をクビになってしまう。
その意味でも貴重な作品である。