アメリカでアジア系に対する「差別事件」が起きている。
1983年10月に、私も横浜港代表団約20人を引率して、アメリカ東海岸の諸港湾都市を訪問して、横浜港のPR事業をした。
ボルチモア、ニューオリンズ、ニューヨークだが、まずニューヨークのケネディ空港に入った。
このとき、訪問団は、各地でPRをしてパーティを開催し、その際に記念品としてギブアウエーの記念品を渡すため、500本くらいのネクタイを旅客の手荷物として運んでいた。
われわれが出た後、段ボール箱が出てきて、ホールに積んでいると、「これはなんだ」と係員が聞くので、
「パーティーで渡す記念品だ」というと、
「輸入品だ、正規の輸入手続きをして入れろ」という。
どうするんだと聞くと、
「まず、倉庫に入れて通関しろ」とのご指示。
「明日には、ニューヨークからボルチモアに行き、パーティーをしなくてはいけないので無理」と説明しても、
「正規に通関しろ」の一点ばり。
その時、旅行代理店の日新航空の渡辺支店長が言った。
「金を渡せば良いんですよ」
と言って、担当者のところに行き、少し話をして、無事通関できた。
後に、いくら渡したのと聞くと「2万円」とのことだった。
われわれが、日本人とのことで、やられた「差別」だろうと思う。
よく途上国の空港等ではあることだが、先進国のアメリカでもあるとは少々驚いた。