今は、ゴルフのはみかみ王子こと石川遼が大人気だが、昭和20年代後半の卓球界で大人気だったのが、荻村伊智郎である。今で言えば、「卓球王子」であろう。
彼は、1959年に日大在学中に世界大会で優勝し、一躍日本に卓球ブームを起した。
私が住んでいた大田区池上でも、それまで芝居小屋があったところが、直ぐに卓球場になったくらいだ。
当時、中学、高校の卓球部も部員で満員になった。
その後、皇太子(現天皇)と正田美智子さんの軽井沢の「テニスの恋」で、今度はテニス部に入部者が殺到することになる。
私の小学校時代の親友も、中学に入るとすぐにテニス部員になり、高校もテニス部、大学時代は、学生の分際で山王にあったプライベート・コートのクラブに入った。
彼は、高校、大学、そして会社でも、多くの女性と浮名を流したらしいが、40代半ば癌で死んでしまった。
好きなことをしたので、それはそれで幸福な人生だったと思う。
さて、荻村に戻ると、中学の教師に、都立西高校で彼と同級だったというのがいた。
彼の話では、荻村は大変真面目で勉強も出来て、最初大学は公立の都立大に受かったのだそうだ。だが、卓球に専心するため日大に転校した。
その教師は某私立大学だった。
荻村は、選手を引退してもアマチュア・スポーツ界で活躍し、最後は国際オリンピック委員会の委員にもなったはずだ。だが、60代で若死にしてしまった。
はみかみ王子が長く活躍されることを期待したい。