1960年、日活の和田浩治主演の作品、監督は西河克己で、彼がこんなおふざけ映画を作っているのは不思議かもしれない。
写真のカストロ髭は、ジェリー藤尾で、こういうおふざけもある。
だが、当時「渡り鳥シリーズ」を典型に、日活には「おふざけ路線」があり、日活の監督課長的立場の彼としても、こういうものも作ったのだろう。
この後、西河克己は、日本映画史上最大の珍作と言われる『俺の故郷は大西部』や『有難や節 ああ有難や ああ有難や』も監督している。
和田浩治が有馬温泉や神戸に来て、死んだ船長の父親を探すのと、安部徹、松本染升、田中明夫らの悪人が船で海底から金塊を引き上げ、その金でキャバレーをやっている話が絡む。
そこにクレージー・キャッツが出ているが、クレイジーとしては極めて早いもの。
しかし、意外に真面目に作ってあり、安倍徹と南寿美子の愛の件などは、まるでメロドラマであり、この辺は西河の本領である。
後に作った、スパイダーズの『バリ島珍道中』も見たが、結構金をかけた作品だったのには驚く。
バリ島では、きちんとケチャのバロン・ダンス等が出てくる。
今度、CSをケーブルテレビに代えて、チャンネルNECOが無料で入ったので、1960年代初期の日活が見られて実にうれしい。
1960年代中頃以降は、ほとんど見ているのだが。