1943年、大映京都で作られた片岡千恵蔵主演の宮本武蔵、中村錦之助の武蔵では奈良に屯する浪人者たちとの豪快な決闘が売り物だった。
これは多少違っていて、かなり重苦しい調子である。
冒頭に、鎖鎌の葉を鍛えている月形龍之介の宍戸梅軒の荘重な表情が印象的である。
その他武蔵に敵対する者、慕って来る女性たちもどこか思いつめた表情だが、片岡千恵蔵の武蔵だけが、途中までは無表情で淡々としている。
最後、勝った武蔵は一心にお経を唱えている。
この祈りは、戦時中の死者への祈りなのだろうかと思わず感じてしまう。
この時期の伊藤大輔は、時局に合わず不遇で、スランプに時代だったとされるが、確かにサイレント時代やその後の語り口の面白い頃の軽快さはない。
神保町シアター
コメント
時代劇同好会(名前検討中
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今 動画で 片岡千恵蔵 遠山の金さん 火の玉奉行 1958 を 観ています 懐かしいですね。