鶴田浩二は、高田浩吉の真似だった

土曜日は、大岡地区センターで「魅惑の国・ブラジルの音楽」をやったが、松竹の『七変化狸御殿』のレビュー・シーンも上映し、高田浩吉が『伊豆の佐太郎』を歌った。

日曜日は、のんびりとフィルムセンターで、久しぶりの加藤泰監督の『明治侠客伝・三代目襲名』を見た。

後の、『緋牡丹博徒』シリーズのような様式性は少なく、かなりリアルな映像の展開だった。

主役は言うまでもなく鶴田浩二だが、彼の仕種、表情、演技の決まり方などは、高田浩吉に非常によく似ていることにあらためて気づいた。

それは当然なのだ。

鶴田浩二は、もともとは高田浩吉劇団にいて、芸名も高田浩吉にちなんだものなのだからだ。

                    

芸事は、俗に真似から始まると言われており、学ぶは真似ぶことだとも言われる。

鶴田浩二が高田浩吉をまねているように、勝新太郎はもともとは長谷川一夫の真似だったのである。

歌舞伎の世界では、襲名と型の継承が行われているが、これも言うまでもなく真似ることの継承である。

二人とも大変な二枚目であり、歌う映画スターであることも共通している。

ただ、違うのは、高田浩吉は品行方正だったのに対し、鶴田浩二は、数多くの女性と浮名を流したことで、ここは大いに違うところだった。

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