昔々、結婚して北品川のマンションで寝ていると、キリキリとラドンの幼虫の音がした。
「ラドンめ、阿蘇山からわざわざ北品川までやってきやがったか」と思った。
目が覚めると、隣で女房が歯ぎしりしていた。
ストレスでもあったのか、キリキリと金属的なすごい歯ぎしり音だった。
映画『ラドン』は、言うまでもなく円谷特撮の傑作映画で、古代の怪鳥ラドンが阿蘇山中で生き返り、九州一帯を暴れ回る。
幼虫は、蛆虫のような奴で、動くとき、キリキリと金属的な音を立てる。
女房とは、今は別の部屋で寝ているので、ラドンの幼虫が来るのかは知らない。