『遠い雲』

1955年の松竹作品、監督木下恵介、主演は高峰秀子、田村高広、佐田啓二。
舞台は、岐阜の高山市、旧家の作り酒屋の次男田村高広が、北海道のルベシベに転勤することになったから、と東京から一時帰郷して来る。
田村高広は、高峰秀子と相愛だったが、高峰は柳泳次郎の裕福な商店の長男と結婚したのだった。
だが、長男は放蕩の末に死んでしまう。
田村は、高峰が忘れられず、「一緒に北海道に行ってくれ」と懇願するが、結局高峰は、柳家の次男佐田啓二の求愛を受け入れて、高山に残ることにする。
田村と高峰の愛は、遠い雲のように手に届かないものだった。
高山の映画館で行われる「ジャズと歌の夕べ」として、デビット・コンデとゲイ・セプテットが出てくるのは貴重な映像。

高峰秀子は、実にエロティックである。
この元恋人の田村高広と再会する話は、1957年の野村芳太郎監督、松本清張原作の『張り込み』になる。ここでは、『遠い雲』とは逆に昔の恋人の田村高広と一緒に逃げようとさえする。勿論、犯人の田村は逮捕されてできないくなるが。
また、義理の弟から未亡人が慕われるのは、成瀬巳喜男の名作、加山雄三と共演の『乱れる』になったと私は思う。
衛星劇場

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