『天使のはらわた・赤い陰画』

初めて見たが、日活ロマンポルノの中でも過激な表現の作品だろう。

原作・脚本は石井隆で、監督は池田敏春、主演は泉じゅん、鶴岡修などで、少女を暴行死させる男は、ピンクでお馴染みの港雄一らしい。

いきなり泉じゅんのオナニーシーンから始まる。

彼女は、デパートの同僚から言われた、「ただ立っていれば良い」というバイトに行くと、ビニール本の緊縛写真で、過激なポーズの写真を撮られてしまう。

そこから店の上司鶴岡とのラブホテルでの性交など、次から次に過激な表現が続く。

最後、コタツの足で泉じゅんがオナニーするシーンがあり、昔保健所の医者から聞いた珍事を思い出した。

その先生は、若い頃、三浦の病院の医師をしていて、内科医だったが、ある夜当直になった。

すると町のヤクザ二人が救急車で運ばれてきた。

彼らはやくざだが、ホモで、一人がもう一人の男のお尻にコタツの足を入れてしまい、抜けなくなったというのだ。

「本当かね」と疑いつつ診察すると、本当にこたつの足が、ある男のお尻に完全に埋め込んでいたそうだ。

どうやって取り出したかは詳細は忘れたが、多分麻酔を打って取り出したのだろうと思う。

この映画は、過激だが、一種の純愛映画であるとも言えると思う。

純愛映画なので、主人公の名美を密かに愛する内気な若い男は、犯人の港雄一と間違えられて、三谷昇が発射した銃弾で死んでしまうのだ。

上映が終わったとき、隣の席にいた人が、

「この監督、今見たら笑うでしょうね」と私に同意を求めてきた。

「いないから見られませんよ」

「いないんですか」

「死んだんです、自殺でした」と答えてあげた。

大島渚なら、ワイドショーでも取り上げられるだろうが、池田敏春の自殺は、新聞の訃報欄の下だったので、誰も気がつかなかったのだろう。

少々可哀想になった。

フィルムセンター

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