『嗚呼・花の応援団』

昭和51年日活で制作され大ヒットした作品。元々、応援団という存在が嫌いなので、一切見なかったが、オークションで安かったので買う。

南河内大学(勿論、存在せず近畿大学がモデルらしい)の応援団のバカバカしい実態と、そこにいる型破りな男・青田赤道の話。主演の青田の井上均がすごい風貌でぴったり。二作目以降、彼が出なかったので、パワーが落ちたらしい。

団旗を守るための信じがたい仕来り、先輩・後輩の序列と連帯責任、「無理篇に拳骨と書く」上下関係の信じがたさが羅列され、そのバカバカしさが大いに笑える。
だが、ここは極端だが、良く考えると、日本の企業、団体、学校等の組織が抱える集団主義の愚かしさそのものであることが分かる。

最後、駅伝で応援団員の青田が、途中から選手として出場し優勝してしまうが、これは加山雄三の「若大将シリーズ」のパロディである。

家出娘で、売春宿に売られた少女・水原ゆう紀に、応援団の最下級生が送る「フレー、フレー、新子!」のエールには、切ない情感があった。

監督曽根中生は、日活ロマン・ポルノで時代劇から喜劇、アクションと何でも作り、東映では横山やすし映画で合格。
最後は、ドキュメンタリーの『夜をぶっ飛ばせ!』で大儲けしたらしいが、その後事業に大失敗したらしく、行方不明だそうだ。
いろいろと考えさせる映画である。

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