『私たちの結婚』

1962年、篠田正浩監督の松竹大船作品、脚本は篠田と松山善三。

東京の羽田、ノリ漁をやっている東野英治郎の家の二人娘、牧紀子と倍賞千恵子の姉妹の結婚の話。

二人とも川崎の工場で働いていて、倍賞は現場だが、牧は事務で給料計算を担当している。川崎の工場となっているが、どう見ても大森のいすゞのように見える。

そこに、工員の三上真一郎が「10円足りない」と言って怒鳴り込んでくる。

実は、三上は、倍賞と同じ職場の人間なのだ。この3人に、田中慎二を入れた4人で海に釣りに行ったりするグループ交際が続くが、倍賞は三上は「死んだ兄に似ている」として牧に三上と附きあうことを進める。

だが、そこに元は闇屋で、今は呉服問屋の社員になった木村功が現れて、牧と仲良くなる。

東野は、網元に借金していることから、その息子との結婚を勧め、木村なんかは「闇屋だ!」と強く反対する。

最後、牧紀子は木村と一緒になることになり、倍賞千恵子は三上真一郎と一緒になることが示唆されて終わる。

脚本が松山善三なので、篠田にしては微温的な内容だが、まだ漁場だった羽田や周辺の工場が出てくるのは大変に貴重な映像である。

また、羽田のノリ漁だが、これにはノリヒビというものが必要で、このノリヒビを貸して儲けていたのは、池田大作の実家とのこと、大田区では有名な話である。

衛星劇場

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