CDには時代が感じられないことがある

藤田敏八監督の映画『赤い鳥逃げた』のサウンド・トラックのCDが出て、先日買い、聞いているが、あまりにも音が新鮮で、1973年に作られたと言う気がしない。
時代の感じがしないのである。作編曲の樋口康夫のセンスが時代を超えているとも言ええるが、メカニズムの問題だろう。

映画なら、オール・セットの映画ならともかく、大半は、必ず町場のロケがあり、そこには否応なしに時代や社会が写ってしまう。
ところが、CDやLPは、スタジオでできてしまうので、背景が見えない場合があるわけだ。

この『赤い鳥逃げた』は、なかなか面白い映画で、安田南が歌った主題歌と原田芳雄が歌った『愛情砂漠』は、どちらも有名な曲で(いずれも福田みずほ作詞、樋口作曲)、私はシングル盤を持っている。
カセット盤のサウンド・トラックが出たことも知っていたが、それは買わなかったことを随分悔やんだが、今回出たのはとても嬉しかった。

このシングル盤は、結婚前に付き合っていた妻が、原田芳雄のファンと聞き、プレゼントしたので、私は妻と結婚したとき、一番嬉しかったことの一つが、このシングル盤を手元に取り戻せたことである。
実にくだらないことだが、コレクターとはそんなものである。

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