先日、川崎市民ミュージアムで高橋英樹の『秩父水滸伝・影を斬る剣』を見た。
その中で、山本陽子を女性剣士として一座を組む佐野浅夫座長の武術一座に、日活で制作再開以来ずっと脇役でいる河上信夫さんがいたが、なぜか声が違うように思えた。
なぜ、声が違うのか。
1967年の当時、制作に忙しくて、アフレコの日には間に合わず、別の役者が吹き替えたのだろうか。この映画は、当時では珍しいモノクロ映画で、低予算なので、何か作品が間に合わなくなって急遽制作されたものかも知れない。
そうしたことは当時はよくあり、今やアクション映画の名作と言われる野村孝監督、宍戸錠、ジェリー藤尾主演の『コルトは俺のパスポート』も、予定作品が仕上がらず、急に制作が決まりシナリオから封切りまで3週間で作ったのそうだ。
因みに、河上さんで、有名なのは、川島雄三の『幕末太陽伝』で、品川宿の岡引である。
その他、裕次郎の名作『俺は待ってるぜ』で、新興埠頭にあるレストランで裕次郎を助けるコックも河上さんである。
他にも、刑事や先生など、1960年代の日活映画に多数出ている。