ボールガール作品には、小説家フランソワーズ・サガンの自作短編の映画化もあった。
『緑色の瞳』は、例によって金持ち夫婦の話、と言っても大富豪らしいインテリア・デザイナーは、妻の代わりに娼婦のような美人を同伴して、建築家夫婦の山荘でのカモシカ猟に同行する。
主人公の建築家とデザイナーは、親友なのだが、デザイナーはその妻を口説こうとし、様々にアプローチするが、一切相手にされない。
そして、なんとこの色好みの男は、最後は不能であることが分かり、娼婦からも軽蔑される。
本題のカモシカ狩だが、建築家は山に深く入り込み夜になっても戻らず、遭難を妻は心配するが、無事下山してくる。
そして、カモシカは見つけたが、その目、「緑色の瞳」が美しすぎたので、銃で撃てなかったと言う。
どうやら、1970年代以降の、欧州の動物保護思想の大きな台頭に影響された作品のようだ。ブリジット・バルドーも女優ではなく、動物愛護家として有名になった。
サガンは、監督としては、特にひどくもないが、すごくもない。
ただし、重要なシーンに来ると、すべてクラシックの名曲がバックに流れるのは余り感心できない。