ロス疑惑の三浦和義がアメリカの司法当局によって逮捕された。
事件の推移は、まだ分からないが、小説家島田荘司の『三浦和義事件』によれば、彼の20代、30代の生き方はとても興味深い。
輸入品業者として成功しながら、海外に渡航するとき、腕時計や宝飾品に保険申請して、海外で盗難にあったことにして、小額の保険金を度々もらっていた。
やることが実にせこいと言うか、何でこんなことをするの、と言う感じなのだ。性格と言えばそれまでだが。
派手な女性関係や様々な事業展開など、彼の前半生は、実にめまぐるしい。
私は、その理由は、彼が高校時代に放火事件で逮捕され、刑期を勤めていたことがあると思う。
彼が、逮捕投獄された1960年代前半の日本は、『キューポラのある町』の貧困の時代だった。
だが、彼が刑期を終えて出てきた1970年代には、まさに高度成長時代で、日本中は繁栄していた。
多分、彼は、その間の自分の失った時間の大きさに驚愕したに違いない。
大きな悔恨に襲われただろう。
それから、彼は多彩な活動を展開するようになる。