『ノンちゃん雲にのる』

児童文学者の石井桃子さんが亡くなられた。101歳とはすごい。
新聞の訃報にも出ていたが、石井さんの小説『ノンちゃん雲にのる』は、原節子、鰐淵晴子主演で昭和30年に映画化されている。
私も、公開当時に多分大森の映画館で父か母に連れられて見ている。
よく憶えていないが、木から落ちて機を失った少女が夢の中で見る幻想的な映画だったと思う。

この映画で注目されるのは、映画会社が新東宝であることだ。
後の、「エロ・グロ・天皇」の大蔵貢の新東宝から見ると意外だが、このころまでの新東宝は、基の東宝の流れを汲む良心的映画を作っていたのである。
この年の前年昭和29年に、すでに日活が制作を再開しており、テレビ放送も始まっている。
新東宝も、この頃が最高で、日活の製作再開等により、急速に凋落し、ついには大蔵貢氏に会社救済を依頼し、彼の社長就任になり、6年後には倒産する。

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