『ベル・バラ』以前の宝塚はマイナーだった

朝日新聞夕刊の「人生の贈り物」の安奈淳が大変興味深い内容である。

彼女の回想によれば、『ベルサイユのバラ』の大ヒット以前と、以後では宝塚人気が全く違ったというのだ。
私の記憶でも、昔の東京宝塚劇場での宝塚歌劇団の公演は、大抵ガラガラで、最初二階席の切符を買って1幕目は2階で見て、2幕目からは下に下りて1階席で見られたものである。
そのくらい座席は売れていなかった。

安奈淳によれば、『ベル・バラ』以前の地方公演の宿舎は連れ込み旅館やラブホテルもあった。
それが『ベル・バラ』以降はきちんとしたホテルになったそうだ。
安奈淳は、見た目が極めて弱弱しく、天性のダンスの軽さが好きだった。
女優としては本人が言うように、全く練習しない役者だったようだ。
それで、すべてがきれいに見られたのだから、それは天性の才というしかない。
だが、彼女は引退結婚後、病気をして大変だったようだ。
今度は、その辺のことになるだろう。

数年前、彼女はデイビット・ルボー演出のミュージカル『ナイン』で、脇役の映画評論家役をやったが、これは適役だった。
意外にも知的な役が合っているのかも知れない。

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