『敵は本能寺にあり』

1960年、松竹京都作品、監督は大曾根達保で、主演の明智光秀は松本幸四郎(先代)で、息子の当時市川染五郎も、織田信長の側近の森蘭丸で出ている。
織田は、田村高広で、妻の濃姫は淡島千景、娘の一人は岸恵子で、もう一人は北条喜久子である。
筋は、普通に進行し、明智が、なんども信長に裏切られ、恥辱を受けて、遂には本能寺での変に至る。
秀吉は、河津清三郎で、いつもの悪役だが、おかしいのが徳川家康の嵐勘十郎で、わざわざ新東宝から迎えているほどの大作だったのである。
その他、秀吉の間者で、最後は光秀に殺されるのが、石黒達也と、なかなかの配役である。
この時期は、大船では、大島渚らのヌーベルバーグが出ていた時だが、松竹全体としては、このような映画だったのである。
脚本は、池波正太郎で、彼は、後に『剣客商売』『鬼平犯科帳』などの多数の時代劇原作を書いているが、脚本としては、これだけのようだ。

もちろん、本能寺の変は成功するが、秀吉に山崎の戦いで負けて、最後は農民のような兵に刺殺される。

衛星劇場

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