東恵美子死す

女優の東恵美子が死んだ、85歳。
言うまでもなく劇団青年座の創立メンバーで幹部だったが、映画にも随分出ている。
最初に出たのは、東映の『加賀騒動』で、橋本忍脚本の渋い作品だった。
その他、多数の映画に出ているが、理由は美人だったからだろう。
それもそのはず、以前談志がテレビで言っていたが、彼女の父親は、東武蔵という浪曲師で、母親は下町小町と言われた方で、武蔵が見初めて一緒になったのだそうだ。
美人は、一日にして成らず、である。
2年前に、あるところで偶然に見たが、やはりまだ奇麗だった。

劇団青年座は、俗に「おばさん劇団」と言われ、東恵美子のほか、山岡久乃、初井言栄と、3人の有名女優がいた。
だが、東恵美子が死んで、これで3人のおばさん全員がいなくなった。
でも、劇団の伝統と言うものは、残っているもので、今は高畑淳子が大活躍である。
彼女を、おばさんと呼ぶのは、少々失礼な気もするが。
実に近年高齢になっても若々しいが、すべてがアンチ・エージングの性ばかりではないだろう。
やはり、食生活をはじめ、日本人の生活のすべてが豊かになったためである。

彼女で、有名なのは、心理学者南博との別居結婚だろう。
昔は、よく二人でテレビに出ていた。
南も、死んでもう随分昔である。

外は、初雪。
「初雪や、昭和は遠くなりにけり」

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