最後は面白かった『あさき夢みし』

朝、早く目が覚めてしまったので、録画しておいた実相寺監督のATG映画『あさき夢みし』を見る。
2時間の内、前半の1時間30分は退屈だったが、最後の30分は面白かった。
脚本は、詩人の大岡信、元は『とりかえばや物語』だそうで、主演の上臈のジャネット・八田の四条をめぐり、上皇の花之本寿、本当の愛人の寺田農、さらに花之本の腹違いの弟で阿闇梨岸田森らとの関係は、退屈で少しも面白くない。
前半では、岸田が、愛欲に狂うところと、ジャネットが2回見せる裸の胸にしか意味はない。
だが、都を離れ、従者の原知佐子と諸国を放浪するところから面白くなる。
そこは下層の人間の社会で、「本当の人生がある」とジャネットは知る。
映像も、明確ですっきりして来る。
前半の京での王朝のシーンは、低予算映画なので、きちんとセットを見せられないので、照明がひどく暗くよく見えないのだ。
一遍上人(村松克己)らの踊り念仏の群れにも共感する。
岸田、村松をはじめ広瀬昌介らの六月劇場の連中が出ている。
そして、ジャネットは尼絵師として諸国を遍歴することになる。
関係ないが、ジャネット・八田は絵が好きなのだろうか、絵筆を握り絵を描いているシーンが表情も一番生きいきとしている。

実相寺の映画は、中身がなくてときどき真面目に付き合う気がしなくなる。
だが、本質が映像派なので、絵葉書的とも言えるが、きれいな画面が続くところは良い。
日本映画専門チャンネル ATGアーカイブス

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする