捜査一課長が出ていた

フィルム・センターは、「CIE映画選集」である。
CIE映画とは、戦後アメリカ占領軍が、16ミリ映写機と共に全国の市町村に貸与し上映させた社会教育、視聴覚教育用映画で、別名ナトコ映画とも言うそうだ。

4本上映されたが、最初の『苦情処理』は、組合と経営者の苦情処理協議会を説明するもので、職場が炭鉱なのが時代である。石炭は、当時日本の重要な基幹産業で、『フラ・ガール』のようになるのは、ずっと後のこと。

『値段と商品』では、ラジオ屋として稲葉義男が出ていた。
そして、最後の失業者の男が職業訓練所で職業訓練を受ける『一歩前進』では、NHKテレビの『事件記者』で、捜査一課長をやっていた、高島敏郎が主役だった。

高島課長は、いつも事件の最後に出てきて、「ご苦労さん、皆さんのご協力で、無事解決しました」ということを言うくらいの役で、他で見ることがなかったが、温厚で真面目な感じに、好感が持てた。
この作品は、昭和27年なので、随分古くから映画に出ていた方だったとは、初めて知ったが、調べると、東京発声映画の豊田四郎監督の『泣虫小僧』にもでている。
東宝系の古い役者だったのだ。
この人が、事件の途中で記者から聞かれると「まだ発表の段階ではありません」と言うのが常で、これは結構流行語になった。

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